中国は、町のあらゆるところに小さな軽食屋さんが並んでおり、様々なおいしい小吃(軽食)がいただけます。
その中でも、よく目にする料理の1つが「牛肉麺」です。
中国に来た当初、牛肉麺は名前だけでどんな料理か想像ができ、また、一度食べたことがあるという安心感から、困ったときはいつも「牛肉麺」を食べていました。
そしてしばらく「牛肉麺」から遠ざかっていたのですが、つい最近、おいしい「牛肉麺」に出会い、その牛肉麺にときめいてしまいました。
そこで今回は、中国の大人気麺料理「牛肉麺」についてご紹介したいと思います。
動画をアップしましたので、よかったらあわせてご覧ください。
牛肉麺
中国語: 牛肉面 niúròu miàn
英語 : Beef Noodles
牛肉麺は牛肉スープと煮込んだ牛肉、小麦の麺からなる麺料理です。
さっぱりした味付けの透き通ったスープが特徴的で、上にパクチーがのっていることもあります。
中国の麺料理は大きく分けて「汤面(タンミェン、Tāngmiàn)」と「卤面(ルーミェン、Lǔ miàn)」の2つに分けられます。
「汤面」は汁がある麺料理を指し、「卤面」は餡やソースを絡めた麺料理を指します。
牛肉麺は「汤面」の中の1つです。
地方により、牛肉、麺、スープの作り方が異なり、中国で一番有名な牛肉麺は「蘭州牛肉麺(らんしゅうぎゅうにくめん)」です。
その他に、湖北省の「襄阳牛肉面(xiāngyáng niúròu miàn)」、武漢の「新农牛肉面(xīn nóng niúròu miàn)」などがあります。
蘭州牛肉麺 / 蘭州ラーメン
中国語: 兰州牛肉面 lánzhōu niúròu lāmiàn
英語 : Lanzhou Beef Noodles
蘭州牛肉麺は、甘粛省(かんしゅくしょう)蘭州地区発祥の牛肉麺を指し、「中国十大麺(中国十大面条)」の一つです。
中国十大麺
中国十大麺は、蘭州牛肉麺、北京炸醤麺(ジャージャーメン)、山西刀削麺、四川担担麺、吉林延吉冷麺、河南烩麺(ホイメン)、杭州片兒川、昆山奥灶麺、鎮江鍋盖麺、武漢熱乾麺が含まれます。
蘭州牛肉麺は、中国料理教会より、中国三大ファーストフードに選ばれ、「中華第一麺(中华第一面)」と評価されました。
中国の麺料理は、小麦粉から作った細い冷麦のような麺を使用していることが多いのですが、蘭州牛肉拉麺の麺は基本的に手打ち麺が使用されます。
蘭州牛肉麺の独特の風味は「一清二白三紅四緑五黄」と表されています。
- 一清(澄んだ透明なスープ)
- 二白(大根の白)
- 三紅(辣油の紅)
- 四緑(香菜、ニンニクの緑)
- 五黄(麺の黄色)
2番目の大根は、ふと入っていたかなぁと思い出してみると、過去に食べた、ある牛肉麺は、ゴロっとした大きさの大根がゴロゴロ入っていて、その瑞々しさが美味しかったことを思い出しました。大根はお店により有る無しがあります。
これで、「一清二白三紅四緑五黄」の風味、納得しました!
正統な蘭州牛肉麺は、1915年に回族(かいぞく)の馬保子氏により始められたといわれています。
※回族は、イスラム教を信仰している中国少数民族の1つです。
蘭州には、漢族に次いで回族(かいぞく)などのイスラム系住民が多いことから、蘭州牛肉麺はイスラム教の料理を指す「清真料理(せいしんりょうり)」の1つとされています。
蘭州
中国語: 兰州 lánzhōu
英語 : Lanzhou
蘭州は甘粛省(かんしゅくしょう、中国語:甘肃省 Gānsù shěng、英語:Gansu province)の省都です。
中国のちょうど真ん中に位置し、かつては「金城」と呼ばれていました。
蘭州の町は黄河に沿って、東西に長く延びています。昔から交通の要所として栄え、河西回廊を西へ向かうシルクロード・ルートと青海方面へ向かうチベット・ルートの分岐点となっています。
黄河と蘭州市街の眺めが素晴らしい「白塔山公園」や漢の将軍霍去病(かくきょへい)ゆかりの「五泉山公園」などの見どころがあります。
まとめ
牛肉麺は、地方により作り方が違ったりお店によりこだわりがあり、知れば知るほど奥が深い麺料理だと思います。
わたしは今まで正直、牛肉麺は大体この程度の味かな。といった感じであまり評価をしていなかったのですが、今回、おいしいと思える牛肉麺に出会い、考え方が変わりました。
たった1種類の味、または、1つのお店の味で「この程度か」と決めつけず、これからはもっと色々なお店を試し、自分の好みの味を追求していきたいと思います。
中国を訪れた際は、ぜひ試してみてください!