中国で夏になると町中によく「小龙虾」というお店の看板を見かけます。
小龙虾
小龙虾(シャオロンシャ)は「ザリガニ」のことです。
中国語: 小龙虾 Xiǎo lóngxiā
英語 : crayfish
ここ10年で中国国内にどんどんザリガニ料理店が増えているそうです。
「ザリガニ」というと、川や湖で釣りをしたり家で飼育したりするもので、正直わたしには『食べる』という概念がありませんでした。
中国では夏の風物詩として「ザリガニ」が人気なんですね。
中国に住んで2回目の夏を迎えたいま、ついに「ザリガニ」を食べました!
今回の会に参加した中国在住の日本人4人のうち、3人がザリガニ初体験という、わたしの中では意外な結果でした。
慎重な日本人にはザリガニを食べるまでに少し時間が必要なのかもしれません。
上海に常駐していたというある日本人は、中国人に「ザリガニはおすすめしない」と言われ、中国人が言うなら間違いないと思い食べなかったそうです。
別の日本人はいろいろと考えると食べるまでに至らなかったとのこと。
今回はザリガニを食べる良い機会をいただいたので、ここにザリガニの栄養素、寄生虫などについて、また、ザリガニを食べたレビューをご紹介します。
ザリガニの栄養素
ザリガニはタンパク質を多く含み、脂質、コレステロール、ナトリウム、カリウムなどがバランス良く含まれています。
集中力の向上、美肌効果、貧血・高血圧の予防などの効果があるといわれています。
ザリガニの産地
中国で有名なザリガニの産地の1つに湖北省の潜江市(せんこうし)があります。
潜江市
中国語: 潜江:Qiánjiāng チェンジャン
英語: Qianjiang
潜江市は湖北省の中部に位置します。
市内には湖が多く、ザリガニの養殖に適しているといわれています。
江漢芸術職業学院 【ザリガニ学部】
江漢芸術職業学院
中国語: 江汉艺术职业学院 “小龙虾”专业”
英語: Jianghan Art Vocational College
江漢芸術職業学院は湖北省潜江市に位置する大学です。
こちらの短大では2017年にザリガニ学部が設置され150人の募集がかけられました。
コースは以下の3つです。
- 調理技術と栄養(2年制)
- レストラン経営(2年制)
- マーケティングセールス(3年制)
ザリガニ学部は、海外を視野にいれたザリガニのエキスパートを養成する学部です。
全ての過程を修了し、一定の成績を修めたものには通常の専科卒業証書が授与されるそうです。
このように専門の学部ができるほど、ザリガニ産業はいま中国人の間で注目されています。ある中国人のご両親は本業の医者のかたわら、ザリガニの養殖を始めたというお話です。
寄生虫の心配は?
ザリガニには他の生き物と同じく寄生虫が存在しています。
ですが、正しく処理することで問題なく食べることができます。
- 冷やす
- 加熱する
一般家庭で調理する場合はしっかりと加熱処理をすることが大切です。
冷凍庫で冷やしたからといって決して生で食べることはしないでください。
ザリガニを食べている国
日本ではザリガニを食べることに馴染みがありませんが、海外ではいろいろな国で食べらています。
北欧やアメリカではごく普通にザリガニが食べられ、フランスでは高級食材として扱われています。
スウェーデン生まれのIKEAでは、毎年夏になるとザリガニフェスティバルが開かれ、期間限定でザリガニ料理が味わるそうです。
中国では、若い世代を中心にザリガニ料理は人気があり、レストランで食べると比較的値段が高いことから高級料理の1つとされています。
【ザリガニ】レビュー
ザリガニ料理には大きく分けて〈蒸す方法〉と〈油で炒め揚げる方法〉があります。
蒸しザリガニは、他の味付けがされていなくシンプルに蒸しているだけなので、ザリガニ本来の味を感じられます。そのまま食べてもいいですし、通常は専用のタレにつけていただきます。
蒸しザリガニ
ザリガニの食べ方
1.頭と尻尾を分ける。
食べるのは尻尾の身になります。
2.尻尾の殻をむく。このときに背わたも一緒に取り除く。
エビのイメージがあるので、最初は、食べられるのがこれだけ?と驚きました。
好みによりハサミの身を食べるという人もいます。これは本当に身がちょっとだけです。
尻尾のほうはエビのような味で、ハサミのほうはカニのような味がしました。
炒め揚げザリガニ
辛い香辛料が使われています。もともとザリガニの臭みは気にならない程度ですが、こちらはより臭みが消え、スパイシーな味付けが食を進ませます。青島ビールと一緒にいただくと最高です!
〈蒸し〉と〈炒め揚げ〉、どちらも甲乙付け難く、レストランでは一緒に両方頼んで同時に食べることが、ザリガニ料理を楽しむポイントだと思います。
まとめ
ザリガニがなぜ、中国人の間でこんなにも人気があるのか、それは国民性ではないかと思いました。
中国のかたは、みんなでお喋りをしながら、ゆっくり時間を掛けて食事をするのが好きだと思います。辛い料理を食べながら、口を真っ赤にして、ヒーヒー言いながらも、ビールを片手に会話を楽しむ、そんな光景が街の屋台などでよく見かけられます。
さらに、中華料理は手が汚れないように手袋を使って食べる料理がいくつかあります。
例えば、こちらの鶏足(もみじ)料理です。
日本人からすると、食べる時間、労力、面倒くささに対して、食べられる身が少しというところがネックに感じるところですが、中国のかたはこのような骨がたくさん、食べる身は少しという料理でも好んで食べられます。
そんな中国の食文化において、ザリガニの殻を向く作業、身が小さい、などといったことはまったく気にならないのではないかと思いました。
中国へ行かれたら、ザリガニ料理、ぜひ試してみて下さい!